自分と家族のために、知っておきたい脳卒中

 今や脳卒中は、日本の死因順位で4位にあたる病気。※1 脳に血液が届かなくなると脳がやられて運動や感覚、意識障害などを引き起こし、がんや心臓病と共に三大生活習慣病といわれています。脳卒中で最も多いのは、血管が詰まる脳梗塞、続いて血管が破れる脳出血、くも膜下出血に分類。いずれも年齢に比例して発症率が高くなっていき、寝たきり要介護状態や認知症の引金にもなります。

 発症のきっかけとなる加齢や遺伝はどうしようもないですが、自分で管理できる危険因子は排除していきましょう。脳卒中の危険因子として、疾病では高血圧や糖尿病、コレステロールが高い人に見られる高脂血症があげられます。まずはこの持病を治療すること。

 そして、毎日の生活では喫煙や暴飲暴食を避け、適度な運動を心掛けること。運動は脳の血流を促進させ、脳機能の活性にも良いとされています。ジム通いなど特別なことをするのではなく、日常生活の中で歩くことを意識するだけでも違いますよ。

 さらに、脳卒中の対処法として兆候を知っておくことも大切。前触れの症状としては「一過性脳虚血発作」があります。これは脳卒中と同じく手足の麻痺や片目の失明などがあるのですが、しばらくすると元通りになるので、そのままにする人が非常に多いです。しかし一度経験した人の約3割は近い将来、脳卒中を起こすとの報告があるので、なるべく早く病院へ行ってください。

 イラストで紹介している早期発見のためのサイン「FAST」にあるように、脳卒中は発症から治療までの時間が鍵を握る病気。一刻も早く脳の血流を回復させ、周りの細胞への影響をいかに抑えるかがその後の回復に関わってきます。早めの治療が命を守り後遺症を減らせることを、本人も周囲の人もきちんと理解しておけば安心ですよ。

※1 厚生労働省「平成28年 人口動態統計(確定数)の概況」


藤原脳神経外科クリニック 院長 藤原 繁先生


取材記事:ぐらんざ