かかりつけ医の働き

 皆さん、かかりつけ医とはどんな医師だと思いますか? かかりつけ医の定義は「健康に関することを何でも相談できる上、最新の情報を熟知して、必要な時には専門医、専門医療機関を紹介してくれる、身近で頼りになる地域医療、保健、福祉を担う総合的な能力を有する医師」とされています。

 かかりつけ医は患者さんの自由な意思によって選択されます。どの医師がかかりつけ医かは、患者さんによってさまざまですが、私たち医師は心をこめて一人一人の患者さんに寄り添います。そうして、患者さんに信頼された医師が、かかりつけ医になるのです。数年に一度診察に行くだけでも、かかりつけ医として考えられて良いと思います。

 かかりつけ医は一人だけに決める必要はありません。例えば内科のかかりつけ医の他に、眼科に通院しているという場合には眼科の医師もかかりつけ医と言えます。このように、どの診療科の医師でもかかりつけ医になります。

 日頃の状態をよく知っている医師なら、体調の変化にも気付きやすくなります。病気の予防や早期発見、早期治療が可能になり、病気や症状、治療法などについて的確な診断やアドバイスをします。さらに、必要に応じて適切な医療機関への紹介を行います。その時、病状や経過など治療に役立つ情報を添えて紹介状を書くため、紹介先の医療機関では、診断・治療の質が高まります。紹介状無しで大病院を受診すると保険外の負担金も発生するので、経済的なメリットもありますよ。

 医療機関によっては福岡市のよかドックや特定健診も可能です。今、重い持病がなくても、毎年同じ病院や診療所で健診を受けておきましょう。健診・がん検診や予防接種も積極的に受けて頂き、それを基に今後の治療計画に役立てていきたいと考えています。

 かかりつけ医には患者さん本人のみならず、ご家族の健康についても相談することができます。ご家族皆さんの健康的な生活に役立ててください。地域で在宅療養が必要な方のために訪問診療を行っている医療機関もあります。皆さんが慣れた地域で長く生活できるようにかかりつけ医に在宅医療の相談もしてみてください。


長丘五丁目クリニック 松岡 正樹 先生


取材記事:ぐらんざ