癌を告知されたら

 ぐらんざ読者が不安に思う病気で一番多いのが癌。その発症率は男女ともに50代から増加し、高齢になればなるほど高くなります。男性62%・女性46%と約2人に1人が癌になるといわれ、誰にとっても他人事ではありません。だからこそ今ある医療体制や治療法を知り、癌と前向きに向き合ってはいかがでしょう。

 癌の生存率は、発見時期にもよりますが男性59%・女性66%と、今や癌は2/3が治るとされています。生存率が上がった理由は、早期発見がしやすくなった上に、手術や抗癌剤・放射線治療の精度が上がったから。中でも最近注目されているのが、痛みの少ない低侵襲手術。この手術だと傷口が5㎜程のため回復が早く、体の負担も少なくて済みます。また、正常な組織にまで影響していた抗癌剤も、癌にだけ効果を発揮する薬ができ、副作用の心配が少なくなりました。同じく放射線治療も高精度になり、周辺への害が減っています。

 さらに昨今は身体的ケアだけでなく、臨床心理士による精神的ケアや、就労サポートなどの社会的ケアも充実。癌告知から術後までのトータルな緩和治療が国をあげて導入されています。その結果、より患者さんに寄り添った治療法の提示が行えるようになり、チーム医療の発達で術後の合併症も少なくなっています。

 癌になりやすい要因は、遺伝的要素のある家族因子と、生活習慣などの環境因子。とはいえ、家族因子より環境因子の方が癌と関係することが多いため、癌家系でないからといって安心はできません。したがって50歳を超えると癌になるものという認識を持って1年に1回は健診を受けてほしいと思っています。医療の進歩により生存率は確実に上がっています。早く癌を見つけ、癌が見つかったら怖がらずに最良の治療を受けて―。日頃から自己管理をしつつ、より豊かな人生を楽しんでください。

※1 国立がん研究センターがん対策情報センター/年齢別階級別罹患率【全部位2013年】
※2 国立がん研究センターがん対策情報センター/部位別5年相対生存率【2006年〜2008年診断例】全部位


独立行政法人国立病院機構 九州がんセンター 統括診療部長 森田 勝先生


取材記事:ぐらんざ