令和4年10月5日 定例記者会見

 本会では、医師会活動や医療に関する最新情報を発信することで地域における公衆衛生の向上と市民に親しみやすい医師会を目指すことを目的に、2ヵ月に一度「定例記者会見」を開催しています。
 13 回目となる今回は、令和4年10月5日(水)13時30分より福岡市医師会館にて実施し、報道機関11社が参加しました。


1.福岡市感染症概況等総論 <平田会長>

 平田会長から、現在の新型コロナウイルス感染状況と、予め報道機関より寄せられた質問等に回答しました。
 市内の新規感染者数は7月23日の5,776名をピークに減少傾向が続く中、年代別感染者の内訳とワクチン3回目接種の状況により、接種率が低い若年層ほど、感染率が高い傾向にあることから、重症化リスクの高い高齢者等への感染予防のため、ワクチン接種の検討を呼びかけました。
 オミクロン株対応ワクチンが薬事承認され、福岡市では60歳以上や基礎疾患を有する方、医療従事者等から接種が開始されたことを報告しました。
 報道機関からの質問で「5類への見直し」は、医療費やPCR検査費の国民負担増となる一方で無駄な検査減に繋がることに理解を示し、今後の方向性としてはワクチン接種無料化の継続と接種間隔の短縮による接種率の向上に期待を寄せました。全数把握の見直しに続く「政府への希望」として、有効な内服治療薬の安定供給と通常薬のように処方できることを望んでいる旨を述べました。
 最後に市民に向け、インフルエンザ流行への注意、コロナワクチン接種への理解、日常的な感染対策の必要性の3点をお願いしました。

2.医療現場の安全対策 <菊池副会長>

 菊池副会長からは、本年9月に行った会員医療機関を対象とした医療現場における安全対策に関する調査結果を報告しました。最近の医療現場は患者等からの暴力事件やハラスメントの発生、サイバー攻撃の脅威に直面しており、調査の結果、約41%で暴力・ハラスメント等の被害があり、約8%が「なりすましメール」等受信した状況にあることを説明しました。本会の会員医療機関への支援策として講演会やマニュアルを作成の上、引き続き福岡県警との連携に努めることを伝えました。

3.質疑応答

 平川常任理事より、予め寄せられた報道機関の質問のうち、インフルエンザとコロナの同時流行への懸念や今後の注意点等について回答しました。今年の南半球のオーストラリアでのインフルエンザの流行状況等を示し、今季はインフルエンザ流行の可能性が大きいために、ワクチン接種の推奨と例年通りのインフルエンザ対策の必要性、また、新型コロナは短期的には減少傾向であるものの、同時流行への懸念について説明しました。
 中山常任理事からは、オミクロン対応ワクチン接種への懸念については、安全性の臨床試験で従来株と差が無いこと、また、小児のコロナワクチン接種に関して、日本小児科学会が示している5~17歳の全ての小児へのコロナワクチン接種の推奨と接種の考え方を説明し、ワクチン接種への理解を求めました。


関連資料

福岡市感染症概況等 (PDF)
医療現場の安全対策 (PDF)
質疑応答 (PDF)


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