令和6年2月7日 定例記者会見

 本会では、医師会活動や医療に関する最新情報を発信することで地域における公衆衛生の向上と市民に親しみやすい医師会を目指すことを目的に、2ヵ月に一度「定例記者会見」を開催しています。
 21 回目となる今回は、令和6年2月7日(水)13時30分より福岡市医師会館にて実施し、報道機関7社が参加しました。


1.総論 <平田会長>

 平田会長からは、新型コロナおよびインフルエンザの感染状況や令和6年能登半島地震の支援活動等について説明しました。
 福岡市における新型コロナの報告数は年末以降増加傾向にあり、第10波に入ったと考えられるとの認識を示し、インフルエンザも警報レベルを超える高い数値が続いているため、手洗いや換気、マスク着用などの基本的な感染予防対策の徹底をお願いしました。
 能登半島地震の支援活動については、本会では会員医療機関を対象に義援金の募集を行っており、今後、日本医師会宛に送金予定である旨を説明しました。また、DMATおよびJMATチームの一員として、市内医療機関からも医師や看護師等が被災地で活動している状況を報告し、今後も関係機関と連携しながら、活動を継続していく考えを示しました。
 最後に本会看護専門学校について、近年の少子化や大学志向の影響により、志願者数が定員に満たない状況が続いていることから、看護高等課程准看護科は令和7年度より、また、看護専門課程第2看護学科は令和9年度より学生募集を中止することを発表しました。

2.予防接種(HPVワクチン) <中山常任理事>

 中山常任理事からは、HPVワクチン接種について説明しました。
 予防接種の主な歴史や子宮頸がんの主な原因となるHPVについて解説し、HPVワクチンは、海外や日本国内での疫学調査でウイルスへの感染や子宮頸部の異形成発症の予防に有意であることが示されていることを説明しました。
 また、積極的勧奨が差し控えられた期間に公費での接種機会を逃した方に実施する「キャッチアップ接種」について詳細を説明し、若年層の女性が子宮頸がんで苦しみ、がん治療で子宮を失い妊娠できなくなることのないようにするためには、「HPVワクチンの接種」と「子宮頸がん検診の受診」の2つが重要であると訴えました。
 最後に、ワクチンの更なる啓発を目的として本年3月に開催する市民公開講座「~そうだったのか!子宮頸がん~」について案内し、対象のご本人やそのご家族に向けて本講座への参加を呼びかけました。

3.質疑応答 <平川常任理事>

 平川常任理事からは、報道機関から寄せられた質問のうち、能登半島地震に関する医療支援と働き方改革における福岡市医療圏の進捗および課題等について回答しました。
 1月下旬に石川県七尾市を拠点にJMATとして支援活動を行った際の被災地の状況について、現地での写真を示しながら報告し、医療提供体制は少しずつ回復しているものの、避難生活が長期に及ぶと被災者に大きな負担がかかるため、今後も継続的支援が必要であるとの考えを示しました。
 また、本年4月から開始される「医師の働き方改革」により時間外労働が規制されることで、一次救急の機能が破綻し二次・三次救急に負担がかかるなど、救急医療体制に大きな影響を及ぼす可能性があると説明しました。福岡市急患診療センターでは、大学病院等から出務している勤務医の割合が多くを占めていることから、医療提供体制の維持のため、本会会員への更なる出務協力依頼や、出動医に対する時間的・空間的・経済的勤務環境の改善に取り組んでいる旨を報告しました。
 最後に市民に向けて、「♯8000」や「♯7119」などの電話相談事業の活用や、急変時以外の平日日中時間帯でのかかりつけ医受診、救急車の適正利用への協力をお願いしました。

関連資料

総論 (PDF)
予防接種(HPVワクチン) (PDF)
質疑応答 (PDF)


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