令和5年10月4日 定例記者会見

 本会では、医師会活動や医療に関する最新情報を発信することで地域における公衆衛生の向上と市民に親しみやすい医師会を目指すことを目的に、2ヵ月に一度「定例記者会見」を開催しています。
 19 回目となる今回は、令和5年10月4日(水)13時30分より福岡市医師会館にて実施し、報道機関11社が参加しました。


1.総論 <平田会長>

 平田会長から、新型コロナおよびインフルエンザの感染状況と医療支援内容、予め報道機関から寄せられた質問等について回答しました。
 福岡県における新型コロナおよびインフルエンザの直近の報告数はともに高い数値であり、今後更なる同時流行が懸念されるため、ワクチンの同時接種や基本的な感染予防対策の徹底をお願いしました。
 本年10月からの新型コロナの医療支援縮小により、治療薬や入院医療費の自己負担増となるため、体調不良者の受診控えから更なる感染拡大が起こりかねないとの懸念を示しました。また、医療機関では、外来受診の偏在や病院・介護施設がクラスター発生を忌避するため後方搬送が困難となり、軽症者が受診困難な状況に陥ることで、救急搬送の増加に繋がる恐れがあると説明しました。
 報道機関からの薬剤需給状況についての質問に対し、本会会員医療機関を対象に行った調査結果を示しながら、医療機関では主に咳止めや去痰剤、抗生物質など感染症に関する薬剤が不足している状況を説明し、今後、国民に必要な薬剤が確実に届けられるよう政府に対応を求めました。

2.医療現場における迷惑行為 <大木副会長>

 大木副会長からは、本年9月に会員医療機関を対象に実施した「医療現場における迷惑行為等に関する調査」の結果を報告しました。
 最近の医療現場では、患者等からの迷惑行為やサイバー攻撃により診療に支障を及ぼす事例が発生しており、調査の結果、約50%の医療機関で迷惑行為があり、そのうち約96%が「要求内容の妥当性が無い」との回答を説明しました。
 迷惑行為の具体的な内容や、医療従事者の負担と離職に繋がることを説明の上、本会では、会員医療機関への支援策として「迷惑行為対策ポスター」の作成や、「防犯・安全対策支援事業」を開始し、引き続き福岡県警との連携に努めていくことを伝えました。

3.質疑応答

 平川常任理事からは、報道機関から寄せられた質問のうち、インフルエンザと新型コロナの同時流行が起きた場合の医療現場の懸念や注意点について回答しました。
 新型コロナ患者は院内での感染拡大防止のため基本的に個室対応が必要であり、今後更なる同時流行が起こると、病床が不足し入院受入れができない事態も起こり得ると述べ、基本的な感染対策やワクチン接種の重要性を説明しました。
 中山常任理事からは、インフルエンザが例年より早く流行している背景について回答しました。コロナ禍の3年間は感染対策により流行せず、その結果インフルエンザの免疫が低下したと考えられ、5類移行後に人と人との交流が増加したこと等が要因でこの時期に感染が拡大しているとの見解を示しました。市内の多くの医療機関でインフルエンザワクチン接種を開始しているため、接種の検討をお願いしました。

関連資料

総論 (PDF)
医療現場における迷惑行為 (PDF)
質疑応答 (PDF)


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