令和8年4月1日 定例記者会見

 本会では、医師会活動や医療に関する最新情報を発信することで地域における公衆衛生の向上と市民に親しみやすい医師会を目指すことを目的に、「定例記者会見」を開催しています。
 29回目となる今回は、令和8年4月1日(水)13時30分より福岡市医師会館にて実施し、報道機関6社が参加しました。

1.総論 <菊池会長>

 菊池会長から医療を取り巻く現状を総論として説明しました。全国の医療機関倒産件数の推移を示し、昨年過去最多を更新した要因として物価上昇や人件費増、医療材料費高騰などが診療報酬に十分反映されてこなかったことを指摘しました。この状況から医療・介護分野の経営支援を目的とした令和7年度補正予算が編成され、更に令和8年度診療報酬改定では約30年ぶりの大幅引上げとなり、医療界が長年訴えてきた課題への理解に感謝の意を述べました。
 また、「第8次医療計画」では2040年の高齢化のピークを見据えた医療ニーズの変化や人口減少等の課題に様々な取組みが進められ、昨年12月成立の改正医療法では「地域医療構想の見直し」「医師偏在対策」「医療DX推進」を中心とした医療提供体制が構築されることを説明しました。
 市民に身近な変化としてマイナ保険証への移行やかかりつけ医機能の情報検索、OTC類似薬の保険給付見直しについて解説し、本会では新たな地域医療構想などの政策を踏まえ、地域の特性を生かした一層の医療提供体制の充実を図っていくことを表明しました。

2.福岡市医師会看護専門学校 <大木副会長>

 大木副会長から本会看護専門学校の実績等について説明しました。本校は開校以来100年超の歴史を誇る伝統的な看護師養成校で、昨年度も全科とも高い合格実績となり、多くの卒業生が福岡市内の医療機関に就職した旨を報告しました。
 しかしながら、近年の少子化や女性が選択する職域の拡大、大学志向の高まり等の影響により全国的に多くの准看護師・看護師養成校で閉校や閉科が続く深刻な状況があり、本校でも本年3月末を以て准看護科を閉科したことを説明しました。今後第2看護学科の閉科も決定しているものの、第1看護学科は引き続き学生募集を継続予定で、オープンキャンパスやSNSを活用した広報等に注力し看護師養成に努めていく決意を述べました。

3.感染症動向と予防対策 <植山常任理事>

 植山常任理事から感染症と予防について説明しました。インフルエンザおよびA群溶血性レンサ球菌咽頭炎の直近5週間の定点報告数が警報レベルである状況を示し、新生活の中で人の移動が多い季節への注意を呼びかけました。国内で感染が報告されている麻しんについて、市内での感染者報告はないが、県外の麻しん患者が周囲への感染可能性のある期間に市内複数施設を訪れていたことが分かり注意を促しました。感染力が極めて強く、手洗いやマスクでの予防はできないために予防接種の呼びかけと併せ、感染が疑われる時は事前に医療機関に連絡の上での速やかな受診をお願いしました。
 感染症予防対策として、福岡市が実施するRSウイルスワクチン、HPVワクチン、帯状疱疹ワクチンの対象者や接種回数、接種費用等について説明し、その他予防接種も含め接種希望の場合は本会ホームページ掲載の「予防接種実施医療機関検索」を参照の上、直接医療機関への予約をお願いしました。

4.学校医 <石﨑常任理事>

 石﨑常任理事から学校医の役割と本会の取組みについて説明しました。学校医の定義や役割を示し、現在、児童生徒を取り巻く課題として肥満と痩せ、メンタルヘルス不調、薬物乱用など多様化しており、社会情勢や社会問題が反映されていることを解説しました。また、高齢化等による学校医のなり手不足に加え、医師の少ない診療科では行政区を越え1人で複数の学校を担当するケースもあり、日常診療の傍ら過密なスケジュールで健診に従事する実情を説明しました。
 近年、学校と学校医間の共通理解不足や学校から保護者への事前説明不足等により児童生徒のプライバシーや心情への配慮に欠ける健診事例があったことから、令和6年9月に日本医師会と文部科学省が留意点を纏めたリーフレットを作成し、会員宛に周知したことを報告しました。
 本会では、市内の校医推薦をはじめ、市教育委員会との定期的な意見交換や研修会開催などに取組んでおり、その他の学校保健活動として学校心臓検診、学校腎臓・糖尿検診、生徒指導のための精神保健相談業務、小児生活習慣病予防健診等の取組みも紹介しました。医療関係者と学校関係機関との連携強化と、保護者や児童生徒に理解を深めていただくよう今後も一層尽力していく意向を示しました。


関連資料

総論 (PDF)
福岡市医師会看護専門学校 (PDF)
感染症動向と予防対策 (PDF)
学校医 (PDF)


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