令和4年4月6日 定例記者会見

 本会では、医師会活動や医療に関する最新情報を発信することで地域における公衆衛生の向上と市民に親しみやすい医師会を目指すことを目的に、2ヵ月に一度「定例記者会見」を開催しています。
 10回目となる今回は、令和4年4月6日(水)13時30分より福岡市医師会館にて実施し、報道機関12社が参加しました。


1.福岡市感染症概況等総論 <平田会長>

 平田会長から、現在の新型コロナウイルス感染状況と今後の予測、予め報道機関より寄せられた質問等に回答しました。
 新規感染者数は減少傾向であるものの高止まりの傾向であり、オミクロンBA.2株への置き換わりに懸念を示し、福岡市民病院と九州大学病院の共同研究結果の報告等をもとに、改めてコロナワクチン3回目接種の有効性・重要性を説きました。
 予め報道機関より寄せられた質問のうち、令和4年度診療報酬改定に対する受けとめについては、今回導入された「リフィル処方箋」について医療の質を下げないよう慎重な対応が必要と述べました。
 また、コロナ禍で医療現場が疲弊する中、加算点数の算定要件等を無理に厳格化することは地域の医療提供体制に影響を及ぼす可能性があるとし、政府には診療現場に即した運用をお願いしたい旨回答しました。
 近年、医療従事者へのクレームや暴言・暴力が増えていることにも触れ、実際の診療現場での事例をあげながら、医療従事者は一般診療に加えコロナ診療やワクチン接種等、日々状況が変わるなかで疲弊しながらも全力で取組んでいる旨を訴え、社会の理解と協力をお願いしました。
 最後に、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻の現状を憂慮し、ウクライナ国民に対する医療支援を目的とした支援金の寄付について報告し、人道的支援を積極的に行っていきたい旨を述べました。

2.新型コロナウイルス対策の現状等 <中山常任理事>

 感染症担当の中山常任理事からは、新型コロナワクチン接種における本会の取組みを報告し、特に小児の接種体制については、細やかな対応が可能な実施医療機関での接種を推奨し、集団接種においても小児科医を配置する体制を整えている旨説明しました。
 現在2剤が特例承認されている経口治療薬については、新たに国内製薬会社による薬が承認申請中で、治療の選択肢の広がりに期待しているが、現在のところ一般流通しておらず投与対象も重症化リスクのある患者に限られていることから、まずはワクチン接種にて重症化を防ぐことが重要と述べました。
 さらに、コロナ罹患後症状に関しワクチン接種者においては、コロナ後遺症のリスクが低いことが報告されている旨を説明し、繰り返しワクチン接種への協力をお願いしました。

3.質疑応答

 平川常任理事より、予め報道機関より寄せられた質問のうち、福岡県の感染再拡大防止期間終了への受けとめについて、本会として総合的見知から基本的には賛成であるものの、引き続き基本的な感染防止対策の継続が重要であり、加えて重症者を減らす観点からワクチン接種への協力を呼びかけました。
 また、新型コロナウイルス感染症の5類引き下げに関しては、検査や治療費が自己負担となることによる受診控えを懸念し、軽症傾向が多いとされるオミクロン株だが、死亡率は季節性インフルエンザよりも高く、現時点での5類への引き下げには慎重な判断が必要である旨を回答しました。


関連資料

福岡市感染症概況等総論 (PDF)
新型コロナウイルス対策の現状等 (PDF)
質疑応答 (PDF)


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