令和3年8月4日 定例記者会見

  本会では、医師会活動や医療に関する最新情報を発信することで地域における公衆衛生の向上と市民に親しみやすい医師会を目指すことを目的に、2ヵ月に一度「定例記者会見」を開催しています。

 6回目となる今回は、令和3年8月4日(水)13時30分より福岡市医師会館にて実施し、報道機関12社が参加しました。


1.福岡市感染症概況等 <平田会長>

 平田会長から、福岡市における新型コロナウイルス感染状況について、第1波から第4波までと第5波における感染者の年齢別や感染経路の内訳の変化、クラスター発生状況の推移等の資料を示しながら、感染の波と波の間の期間が短くなり変異株の影響で感染スピードが増していること、感染者の年齢層が高齢者層から若年層へと移りワクチンの効果が表れてきたこと、家庭内に陽性者がいる場合は家庭内感染が必発すること等が述べられました。
 また、東京都と福岡市における感染状況を比較した場合、東京都の感染を追いかけるように福岡市で感染拡大が始まるも早い段階で拡大を抑え込めてきたが、第5波で感染力の強いデルタ株が東京都で急速に広がっており、福岡市における拡大に強い懸念を示しました。
 市民の皆様には変異株やワクチン効果への正しい理解と、若年世代へのワクチン接種、基本的な感 染対策の継続について協力を求めました。

2.新型コロナワクチン接種状況、小児への対応等 <中山常任理事>

 感染症担当の中山常任理事からは、新型コロナワクチン接種に対する本会の取組みと、第5波への対策として「自宅療養者への支援体制」の構築を進め、現在、実施登録医療機関を募集している旨を報告しました。
 また、小児へのワクチン接種については、学会の見解を踏まえ、本会と福岡地区小児科医会と連名で福岡市長宛に、健康な子どもの接種は慎重に進め、接種の際は十分な説明ときめ細かい対応のため集団接種ではなく、個別接種を優先するよう要望書を提出しており、12~15歳への接種対応可能な実施医療機関を新たに募集し小児への接種準備を進めていることが説明されました。

3.質疑応答

 平川常任理事より、報道機関からの事前質問の「盆休み期間中の医療提供体制」について、福岡市と連携して輪番制による体制を整えている旨を回答しました。
 新型コロナウイルスの感染拡大について、県内の駅前や繁華街における人出の変化の資料を示しながら、「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」期間中は人出が抑制されるものの、解除後に新規感染者数が増えていることを説明しました。
 また、同感染症の「軽症・中等症・重症」分類に関して、一般の方と医療関係者との間で症状の認識にずれがあることを指摘し、報道機関に正しい情報の周知協力をお願いしました。

 平田会長からは、濃厚接触者が検査後に陽性となり自宅療養する場合、医療者の目が届かず、「医療の空白」が生じることに強い懸念を示し、県内での感染拡大で福岡市内でも自宅での症状悪化の増加や死亡事例の発生を危惧しており、自宅療養者への支援体制構築への意気込みを示しました。不安を抱える患者に寄り添い、安心して自宅療養出来るよう全力で進めていく旨が述べられました。


関連資料

福岡市感染症概況等 (PDF)
新型コロナワクチン接種状況、小児への対応等 (PDF)
質疑応答 (PDF)


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