令和5年4月5日 定例記者会見

 本会では、医師会活動や医療に関する最新情報を発信することで地域における公衆衛生の向上と市民に親しみやすい医師会を目指すことを目的に、2ヵ月に一度「定例記者会見」を開催しています。
 16 回目となる今回は、令和5年4月5日(水)13時30分より福岡市医師会館にて実施し、報道機関13社が参加しました。


1.福岡市感染症概況等総論 <平田会長>

 平田会長から、現在の新型コロナウイルス感染状況と、予め報道機関より寄せられた質問等に回答しました。マスクルール緩和後の患者動向について、感染者数は下げ止まりの傾向にあるものの、新年度を迎えイベントや旅行等で人の動きが増えることから、引き続き注意が必要であるとの考えを示しました。
 また、厚労省が実施した献血者における抗N抗体保有割合の調査結果から、福岡での感染第8波は実際にはもっと高かったものと推測され、ワクチンの接種率が低い若年層は50%以上の方が抗体を持っていることから、無症状感染者や感染しても届出をしていない方が多数いる可能性が考えられると述べました。
 報道機関から寄せられた今後の感染動向と課題についての質問に対し、5類移行後もウイルス自体がなくなるわけではなく、今後も変異を重ね感染力が強まっていく可能性もあるため、ワクチン接種や感染予防行動の徹底により、重症化リスクの高い方を守りながらも通常の医療提供体制の確保が必要であるとの考えを示しました。
 また、福岡市医師会が考える「かかりつけ医」について、単独の医療機関で一人の患者さんを診るのではなく、「面で支える」ことがかかりつけ医の役割であり、本会では既にその体制を整えていることを説明しました。
 最後に市民に向け、新型コロナ感染拡大防止のため基本的な感染対策やワクチン接種の検討と、マスクの着脱については重症化リスクの高い方への感染防止のため、状況に応じて判断いただくようお願いしました。

2.医療DX推進への対応 <案浦専務理事>

 案浦専務理事からは、本年3月に会員医療機関を対象に行った、医療DXに関する状況調査の結果を報告し、本会の取組みを説明しました。
 「医療DX」の導入利点としては、電子化による業務負担軽減や薬剤情報確認等のメリットがあるとの意見が多く、一方、懸念事項としては、導入・運用に伴う費用面やセキュリティ対策面、システムトラブルへの懸念やマイナ保険証の普及率等が挙げられていることを報告しました。
 本会の取組みとして、会員向けに「情報セキュリティマニュアル」を作成し、今後は電子カルテに関する会内講演会を予定していることを説明し、医療DX推進は業務効率化や情報連携の円滑化、BCP対策の強化等のメリットもあるため方向性としては賛成の立場だが課題の解決が必要で、政府には医療現場の実情への理解と丁寧な説明、公的支援の充実等をお願いしたいことを伝えました。

3.新型コロナ5類移行後の体制

 平川常任理事より、5類移行後の入院提供体制について、移行後は全国約8千2百の全病院での対応を目指すこととなり、これまで主に行政が行っていた入院調整については医療機関間による調整となることを説明しました。
 また、応召義務については、スペースの関係上等の理由で対応できない医療現場の実情への理解と、厚労省の指針に基づき、特別な理由により対応できない場合は他院紹介による対応を行うことを説明しました。
 中山常任理事からは、外来医療提供体制について、移行後は全国約6万4千の医療機関での対応を目指すこととなり、本会では昨年11月より診療・検査医療機関増に向けて取組んでおり、3月末時点で597の医療機関で発熱外来の診療体制を築いていることを説明しました。
 また、今後の新型コロナワクチン接種の流れについて説明し、接種の検討を呼びかけました。

関連資料

福岡市感染症概況等 (PDF)
医療DX推進への対応 (PDF)
新型コロナ5類移行後の体制 (PDF)
質疑応答 (PDF)


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