訪問看護研修会(8月)を開催しました。
福岡市医師会訪問看護ステーションでは、毎月、研修会を開催しています。
今回は、看護師を対象とした「小児看護」と、リハビリスタッフを対象とした「小児の姿勢保持について」の2つのテーマで、それぞれご講義いただきました。
「小児看護」
看護師を対象とした講義では、国立病院機構九州がんセンター 小児看護専門看護師の坂田 友先生より、「小児看護」をテーマにご講義いただきました。
講義では、子どもは、いかなる健康問題を抱えていても成長・発達の過程にあることを踏まえ、発達段階に応じた関わりの重要性について学びました。エリクソンの心理社会的発達理論をもとに、乳児期、幼児期、学童期、青年期それぞれの発達の特徴や、成長・発達の段階に応じた支援、訪問看護師としての関わりについてご説明いただきました。
また、家族を支える関わりとして、これまでのケア方法を変えることが難しい、あるいは変えたくないと考えるご家族への支援についても学びました。まずはご家族の思いを受け止め、これまでの努力を労いながら、無理に変化を求めるのではなく、スモールステップで取り組める方法や複数の選択肢を提案することの大切さについてお話しいただきました。また、「いつでも元に戻すことができる」という安心感を持ってもらうことが、新しい方法を試すきっかけにつながることについても学びました。
支援者としての関わり方については、一人で支援を抱え込まず、適切な距離感を保ちながら、多職種を含めたチームで関わることの重要性についてもご説明いただきました。子どもだけでなく、きょうだい児にも目を向け、家族全体を支援する視点が大切であることを改めて学ぶ機会となりました。
さらに、小児がんの看護について、造血幹細胞移植の治療中における注意点、小児がんサバイバーの晩期合併症、子どもへの病気や治療の説明、子どもの思いを尊重したコミュニケーションの方法、終末期におけるケアなど、幅広い内容についてご講義いただきました。
今回の講義を通して、医療的ケアが必要な状況にあっても、子どもは成長・発達する存在であることを改めて学びました。病気や障害だけに目を向けるのではなく、子どもの持つ可能性を大切にし、その子らしく成長・発達できるよう支援することが看護師の重要な役割であると感じました。また、子どもだけでなく、ご家族やきょうだい児の思いにも目を向け、家族全体を支援していくことの大切さについても学ぶことができました。
「小児の姿勢保持について」
リハビリスタッフを対象とした講義では、麻生リハビリテーション大学校 作業療法士の竹中 祐二先生をお招きし、「小児の姿勢保持について」と題してご講義いただきました。
講義では、医療的ケア児および重症心身障害児(者)の変形や拘縮の予防、生理的機能の促進を目的とした姿勢マネジメントについて、実技を交えながら具体的にご指導いただきました。
まず、病態生理から考えるポジショニングの基本をはじめ、在宅における臥位・座位のポジショニング、症例をもとにした姿勢マネジメントについて学びました。
また、長時間座位姿勢で過ごすことが多い方への支援として、シーティングの基本や、座位保持椅子・車椅子の採型時における注意点についてもご説明いただきました。車椅子作製時には、採型に立ち会い、義肢装具士などの関係職種とディスカッションしながら進めることの重要性についても学びました。
さらに、反り返りが強い方や脊柱の変形により呼吸機能に影響が生じている方の事例をもとに、タオルやクッションを使用したポジショニングを実際に体験しました。無理なく安定し、リラックスできる姿勢をつくることで、苦痛の軽減や活動への集中につながることを実感する機会となりました。
今回の研修を通して、姿勢マネジメントは単に姿勢を整えるだけではなく、利用者の生活範囲を考慮し、家庭や学校生活、学習、精神発達、地域での生活など、多様な視点から考えることが重要であると学びました。
今回の学びを日々の訪問看護・リハビリテーションに生かし、ご利用者やご家族が安心して在宅生活を送ることができるよう、今後も知識や技術の研鑽に努めてまいります。

