訪問看護研修会(R8.1月)を開催しました。
福岡市医師会訪問看護ステーションでは、毎月、研修会を開催しています。
今回は、「解決構築の面接技法~生活支援を支える専門性」と題し、日本医療ソーシャルワーク学会 相談役(医療法人武田内科 医療相談室長)大垣 京子 先生を講師にお迎えしました。
本研修では、解決構築アプローチにおける面接技法について学びました。主なポイントは大きく二つです。一つは「利用者が望む生活や目標を引き出すこと」、もう一つは「リソース(社会資源)を引き出し、創り出すこと」です。特に、「問題の98%ではなく、うまくいっている2%に注目する」という視点が強調されました。
対話の原則としては、「うまくいっていることをさらに強化する」「うまくいかない方法は繰り返さず、別の方法を試す」という姿勢が示されました。また、対話に臨む際の基本姿勢として、「知らない立場に立つこと」と「相手を励ます心構え」が重要とされ、具体的には以下の点が挙げられました。
・一歩後ろからリードする
・コンプリメント(肯定的なフィードバック)を意識する
・相手の面子を尊重する
・利用者の見方を肯定する
一方で、「なぜ」「でも」「前にも言いましたよ」といった言葉は、対話を阻害するため避けるべきとされました。効果的な対話技法としては、「要約」「言い換え」「キーワードの活用」「『どのようにしてできたのですか』といった質問」などが紹介され、質問はシンプルであることの重要性も確認されました。
さらに、医学モデルと解決構築アプローチの違いについても整理されました。医学モデルでは支援者の枠組みを中心に対話が進むのに対し、解決構築では利用者自身の枠組みを中心に据えます。面接の進行は支援者が担いつつも、内容の主体はあくまで利用者にあるという点が重要です。
また、KOGAKIの「3・3・3原則」として、①利用者を信じる力 ②自己決定を支える力 ③自分自身を信じる力、が提示されました。
講義後には、二人一組でのコンプリメントを用いた対話演習と、提示された2事例によるロールプレイを実施しました。実際に対話を行う中で、相手の思いを引き出すことの難しさを実感するとともに、この技法を身につけるためには継続的な実践と学習の積み重ねが不可欠であると感じました。
大垣先生の講義は、ロールプレイ後に内容が腑に落ちる感覚があり、毎回新たな気づきと前向きな気持ちを得ることができます。今回も非常に有意義な研修となりました。

