訪問看護師養成講座(12月)を開催しました。
福岡市医師会訪問看護ステーションでは、毎月の研修会を兼ねて、年に2回、訪問看護師養成講座を開催しています。
今回の養成講座では、「ASDの特徴を知って家族支援に活かす」をテーマに、九州産業大学臨床心理学科教授 橋本 みきえ先生(精神保健福祉士)を講師にお迎えしました。橋本先生には令和6年11月にも同テーマでご講義いただいており、前回はASD・ADHD・LD・知的障害・重複障害に関する基礎的な知識を中心とした内容でした。
今回は、より実践的な学びとして事例検討を取り入れ、グループワーク形式で実施しました。当日は87名が参加し、各グループで活発な意見交換が行われました。
事例の一つである小学校高学年の自閉スペクトラム症・注意欠陥多動症のケースでは、スケジュール変更への苦手さや、視覚情報が優位である特性、興味のあることに集中すると周囲の声かけに気づきにくいといった特徴が共有されました。また、母親が先回りして学習環境を整えている一方で、本人の自立を望む葛藤も課題として挙げられました。これに対し、「スケジュールの見える化」「放課後等デイサービスの活用による他者との関わりの拡大」「母子分離の時間を意識的に作ること」など、具体的な支援策が提案されました。
また、20歳の自閉スペクトラム症の事例では、学校中退後に就労意欲が低下し、外出機会も少なく体力低下を自覚している状況が取り上げられました。「目的がないと行動しにくい」という特性を踏まえ、「アバターを用いたコミュニケーション」「インターネットを活用した興味の拡張」「本人を否定しない関わり」「地域活動支援センター(サロン・カフェ等)の活用」など、多様な視点から支援方法が検討されました。さらに、必要に応じて主治医への服薬相談を行うといった意見も出されました。
グループワークは、初対面同士のメンバーでの実施となりましたが、開始当初の静かな雰囲気から徐々に議論が深まり、最終的には非常に活発で実践的な意見交換の場となりました。参加者にとって、支援の視点を広げる有意義な研修となりました。

