精度管理について
福岡市医師会臨床検査センターで考える精度管理
当検査センターで考える精度管理とは、検体採取から報告までの誤差の排除と測定精度の保証並びに万一誤りが発生した時には、同じ誤りを繰り返さない対応策を考え、現場にフィードバックさせる一連の作業だと考えています。
この考えには二つのポイントがあります。
一つは、精度管理は測定に重点をおく傾向がありますが、全体に管理の網を張らないと成果が上がらないこと、二つ目は、過去の失敗を改善することにより失敗数を減らせることでフィードバック機構まで含めたものが精度管理であると考えている点であります。

<内部精度管理>
以上の一般的な管理手法を用い、多くの管理項目を使い分けています。
当検査センターでは、検体をバーコードで管理し、系統誤差はXber-R管理、ツインプロット、偶発誤差はデルタチェック、検査値相互間管理でチェックを行い、その運用の良否をブラインドテストで確認する3重構造による管理を行っています。
質の高いデータを得るには、誤差の種類と管理の特徴を有効に組み合わせてきめ細かく管理する必要があると考えています。
<外部精度管理>
①日本医師会精度管理 点数 99.8点(平成26年)
②福岡県医師会精度管理
③日臨技精度管理
④その他
以上の精度管理に参加していますが、外部精度管理については次のように考えています。
外部精度管理で一番歴史の古い日本医師会精度管理は、点数評価方式を用いましたので初期には精度管理コンテストのような雰囲気があり、高得点を誇示したり精度管理の時だけ特別の検査をしたり色々弊害もみられました。
その後、日医の指導もあり外部精度管理も良く理解され、施設間の格差是正に力が注がれるなど正しい方向に進みつつあります。
外部精度管理はその性格上頻繁に実施しにくいため、世界保健機構(WHO)も「保健,医療検査技術に関する精度保証に関する会議」において、臨床検査の精度の向上には内部精度管理が不可欠であることを再確認するとともに、外部精度管理を教育的事業として位置づけました。
私達もこの考え方にそって、外部精度管理を利用して他施設との格差を無くしていきたいと考えています。