医療情報室レポート
 

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2006年 4月28日
福岡市医師会医療情報室  
TEL852-1501・FAX852-1510 

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特集:地域包括支援センター

 平成18年4月より施行された改正介護保険法では、予防重視型システムへの変換が図られ、一貫性のある「総合的な介護予防システム」を確立するため、地域支援事業及び新予防給付が始まった。地域支援事業は、高齢者が介護を必要とする状態を出来るだけ防止すること、また、新予防給付は介護を必要とする状態になってもそれ以上悪化させないことを目的としている。これらを一体化して実施する地域の中核拠点として「地域包括支援センター」が創設されたものである。
 福岡市では、従来の「在宅介護支援センター」(各区7箇所)を廃止し、28箇所に「地域包括支援センター」を設置して、その内14箇所について福岡市医師会へ事業運営を委託したものである。
 今回は、「地域包括支援センター」の主な内容と本会の取り組みなどについて纏めた。
  

地域包括支援センター

  ★概 要
  「地域包括ケア」の考え方は、高齢者が住み慣れた地域で尊厳のある 生活を継続することが出来るよう、要介護状態になっても高齢者のニーズや状態の変化に応じて必要なサービスが切れ目なく提供される「包括的かつ 継続的なサービス体制」を目指すものである。こうした体制を支える地域の中核機関として「地域包括支援センター」が設置された。
 

福岡市の地域支援事業と医師会の取り組み

  福岡市の地域支援事業は、要介護状態の発生をできる限り 防ぐことを目的として新たに介護保険制度の中に位置付けられ、 介護予防事業、包括的支援事業、任意事業の3つで構成されており、 地域包括支援センターが深く関わる。

  1.介護予防事業
    介護予防事業は、生活機能などの低下により、要支援・要介護状態になるおそれが特に高い高齢者(特定高齢者)を対 象とした介護予防特定高齢者施策と高齢者全体を対象とした介護予防一般高齢者施策に分類。
    1) 介護予防特定高齢者施策
      健診、本人・家族からの相談、要介護認定の結果(非該当)等から、特定高齢者を把握、対象者への具体的な介護予防 ケアプランに基づく介護予防メニューの実施により要支援・要介護状態への移行を防止。
    2) 介護予防一般高齢者施策
      一般高齢者を対象とした健康教室等を通じた介護予防に関する普及啓発事業や社会参加事業等。
 
  2.包括的支援事業(地域包括支援センター)
    地域包括支援センターは地域における高齢者の保健・医療の向上及び福祉の増進を包括的に支援することを目的に市内28箇所に設置。 福岡市医師会ではその内14箇所を受託。
    具体的な業務内容
      介護予防ケアマネジメント
          介護予防特定高齢者施策対象者や要支援高齢者に対し、介護予防ケアマネジメントを経て介護予防ケアプランを作成。
      総合相談
      高齢者の権利擁護
      地域の介護支援専門員への支援 など

  3.任意事業
    配食サービスや声の訪問事業等、高齢者の自立支援や 家族介護者の支援。

 
<医療情報室の目>
★地域包括支援センターへの関わり
 要介護認定を受けた人は5年間で約193万人増加(88%増)、特に要支援・要介護1の認定を受けた人が大幅に増加(138%増)している。(厚生労働省「介護保険制度改革の概要」)
 平成17年3月末の全体の割合は、要介護度が軽度(要支援〜要介護2)の認定者数が63.8%を占めている。(厚生労働省 平成16年度 介護保険事業状況報告)
 また、介護保険の総費用は制度開始当初の平成12年度3.6兆円(実績)から平成18年度7.2兆円(予算)へと急速に拡大を続けて2倍近くにもなり、介護保険の財政は逼迫している。
 こうした事態に、社会保障費削減の声がまたまた大きくなりそうだが、そもそも介護保険が今日のような財政状況に陥ったのは、制度発足当初から参入を認められた民間業者が、 利用者の機能低下を助長するような過剰なサービスを提供するなど、節操のない営利追求の姿勢をとり続けてきたことに一因があり、医療保険にも株式会社など民間企業の参入を認めればどうなるか、 結果は自ずから明らかだろう。
 福岡市医師会では福岡市内28箇所の地域包括支援センターの内、14箇所を委託事業として運営している。
 本会が地域包括支援センターの事業運営を行うことは、利用者の支援は言うまでもなく、会員の診療を支え、そして何よりも介護保険制度の下で適正なサービスが行われ、健全な制度運用が図られるよう、医療者としての責務を果たすことである。

 ※ご質問や何かお知りになりたい情報(テーマ)がありましたら医療情報室までお知らせ下さい。
   (事務局担当 立石 TEL852-1501 FAX852-1510)
 

担当理事 原  祐 一(広報担当)・原 村 耕 治(地域ケア担当)


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