医療情報室レポート 
 

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2000年12月22日  
福岡市医師会医療情報室  
TEL852-1501・FAX852-1510 

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特集:平成12年をふりかえって コンピュータ西暦2000年問題に目立った混乱もなく、新しいミレニアムが幕を開けました。
本年も相次ぐ医療事故、少年犯罪、火山噴火や食中毒事件など、暗いニュースばかり目立ちましたが、世界に目を向ければ南北朝鮮首脳会談やオリンピックでの日本選手活躍など、21世 紀に希望が持てる出来事もありました。
医療界においても介護保険の施行や医療保険制度抜本改革などにより、新しい仕組みが動きだそうとしています。
今回は医師会、厚生省、その他主な出来事について“平成12年をふりかえって”みました。


 
 

医師会関係
 

厚生行政関係
 

主な出来事
 






 

・日医「診療情報の提供に関する指針」施行、市医にも「診療に関する相談窓口」開設
・市医役員選挙、次期会長に竹嶋康弘会員を選出

 

・平成11年人口動態統計の年間推計を発表、出生数(117万5000人)、自然増加数(19万人)ともに過去最低

 

・官公庁のコンピュータが不正アクセスされホームページが書き換えられる被害続出
・大阪大病院で国内2例目の生体肺移植手術
・京都大病院で国内3例目の生体小腸移植手術
・首相の私的諮問機関「社会保障構造のあり方について考える有識者会議」が初会合
 





 

・県医役員選挙、次期会長に関原敬次郎会員を選出
・日医総研、東区医師会の地域完結型保険・医療・介護連携システム構築の過程をまとめた報告書を公表
 

・医療関係者審議会、医師、歯科医師、看護婦の「欠格条項」見直しについて検討を開始
 

・大阪府知事に太田房江氏当選、全国初の女性知事誕生
・薬害エイズ事件でミドリ十字歴代3社長に実刑判決
 






 

・日医、医療関係5団体と医療事故防止緊急合同会議を開催し医療事故防止対策に取り組む共同声明を採択
・日医「診療情報提供推進委員会」初会合
・県医、「診療情報共有福岡宣言」を発表
 

・「高齢者医療制度等改革推進本部」を発足
・「医療安全対策連絡会議」初会合、日医など医療関係27団体代表が出席
・年金改革関連法案が成立
・健康づくり運動計画「健康日本21」を公表
 

・平成12年度政府予算案が成立、厚生省予算は16兆8,703億円、前年度比3.8%増
・駿河台日本大学病院で国内5例目の脳死判定、初の肺移植が実施される
・ロシア大統領にプーチン氏当選
・有珠山が22年ぶりに噴火
 






 

・日医役員選挙、会長に坪井栄孝会員を選出
・第102回日医定例代議員会、「医の倫理綱領」の制定を承認
・日医総研「2015年医療のグランドデザイン」を公表
・日医、有珠山の噴火に伴う地元医師会の救援活動支援のため「日本医師会有珠山噴火災害支援対策本部」を設置
 

・介護保険制度施行
・診療報酬改定、実質0.2%の改定、入院基本料が創設
・特定機能病院の承認要件に安全管理体制の整備を追加
・医師国家試験合格者発表、合格者7,065人、合格率79.1%、女性の割合が30%を超える
 

・小渕首相が緊急入院、内閣総辞職し自公保連立による森喜朗内閣発足
・秋田県本荘市の由利組合総合病院で6例目の脳死判定
・杏林大病院で7例目の脳死判定

 





 

・日医、「医療と『消費者契約法』解説」を作成


 

・健保法改正案が廃案、議員立法により老人外来薬剤一部負担を肩代わり
・社会福祉事業法改正案成立、「社会福祉法」に改称
 

・改正廃棄物処理法案が成立、排出事業者責任が強化される
・愛知県豊川市で17歳の少年が主婦を殺害
・17歳の少年が西鉄バスを乗っ取り、乗客1人を刺殺
 






 

・日医、都道府県医師会診療情報担当理事連絡協議会を開催、「診療に関する相談窓口」が475医師会、「診療情報提供推進委員会」が178医師会に設置されたことが報告
・市医、12年度第1回定時代議員会で医療事故多発の状況に対し「医療の安全確保と信頼確立 福岡宣言」を採択
 

・「看護職員の需給に関する検討会」を設置、2001年からの新しい需給見通しの策定に着手
・平成10年度国民医療費を発表、29兆8251億円で前年度比2.6%増に止まる
 

・藤田保健衛生大病院で8例目の脳死判定、臓器移植はすべて見送り
・韓国で政府が進める医薬分業阻止求め医師協会がスト突入
・皇太后さまご逝去、97歳
・史上初の南北朝鮮首脳会談
・第42回総選挙、自公保激減、民主躍進、市医連推薦の山崎拓、太田誠一候補は当選、西田藤二候補は惜しくも次点
・三宅島付近で海底噴火、7月には雄山噴火、火山活動と地震続き島民避難
・雪印乳業の乳製品による食中毒発生、全国に広がる
 






 

・日医、「患者の安全確保対策室」を設置
・第32回九州地区共同利用施設連絡協議会が熊本市で開催
 

・平成11年国民生活基礎調査を発表、夫婦のみの世帯が2割を超え、65歳以上で子供と同居している人が5割を切る
・平成11年度医療費の動向発表、医療保険医療費の総額28兆5000億円、うち老人保健が過去最高の11兆8000億円と4割を超える
 

・第2次森内閣が発足、厚相に津島雄二氏
・福岡徳洲会病院で9例目の脳死判定
・大手百貨店そごうが倒産
・九州・沖縄サミット開幕、福岡で蔵相会合
・2000円札発行、42年ぶりに新額面紙幣
・フランスでコンコルド墜落、乗員乗客114人が死亡
 






 

・日医坪井会長、ネパール農村部の保健衛生水準向上への協力に対しネパール国王より勲章を授与
・第31回中四九地区医師会看護学校協議会が福岡市で開催(於 シーホークホテル&リゾート)

 

・「厚生労働省発足準備会議」が初会合
・「平成11年簡易生命表」を発表、平均寿命は男性77.10年、女性は83.99年で男女とも昨年より下回る
・厚生労働省として2001年度予算概算要求18兆472億円を自民党社会部会・労働部会合同会議に提出

・日銀がゼロ金利政策を解除、10年ぶりに利上げ、短期金利を0.25%に
・ロシア原子力潜水艦がバレンツ海で沈没、乗員118人が死亡
・人事院勧告、基本給の引き上げを見送り、期末・勤勉手当を年間0.2カ月引き下げ
 






 

・第37回九州首市医師会連絡協議会が熊本市で開催
・日医「苦情・相談受付窓口業務のための講習会」開催
・全国医師会共同利用施設総会が福岡市で開催
・日本診療録学会が福岡市で開催、市医が「カルテ開示における診療現場での問題点」をテーマに公開シンポジウム
 

・平成11年人口動態統計(確定数)発表、合計特殊出生率1.34で前年を下回る
・平成11年医療施設調査・病院報告、病院の1日平均外来患者数は222万9974人、対前年比1.4%増と2年ぶりに増加
 

・東海地方に豪雨被害
・シドニーオリンピック開幕、女子マラソン高橋尚子、柔道の田村亮子が金メダルなど日本勢活躍
・第一勧銀、富士銀、興銀による「みずほフィナンシャルグループ」設立、資産規模で世界一の金融グループ誕生
 


10



 

・日医坪井栄孝会長、第52代世界医師会長に就任
・第39回十三大都市医師会連絡協議会が広島市で開催
・日医「診療ガイドライン評価センター(仮称)」設立準備委員会発足
 

・「小児における脳死判定基準に関する研究班」、6歳未満の脳死判定基準のあり方について、成人の基準に準拠するも判定間隔は24時間以上とする報告書をまとめる
・公衆衛生審議会・感染症部会、今冬のインフルエンザ総合対策をまとめる

 

・社会保障構造のあり方について考える有識者会議、「21世紀に向けた社会保障」の取りまとめを行い、報告書を森首相に提出
・鳥取県西部で震度6強の地震、被害多数
・千代田生命、協栄生命破たん
・白川英樹筑波大名誉教授にノーベル化学賞
・シドニーパラリンピック開幕
・福岡ダイエーホークス、リーグ2連覇
・プロ野球日本シリーズ、ON対決は巨人が日本一
 


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・叙勲受章
  占部治邦会員 勲二等瑞宝章
・第31回全国学校保健・学校医大会が福岡市で開催
・市医、医療情報マップをイントラネットに掲示
・日医「医療安全推進者養成講座」実施要領を発表、来年1月下旬開講予定

 

・健康保険法等改正案、第4次医療法改正案が可決成立、老人の患者負担に月額上限付き定率1割負担制が導入され平成13年1月1日より施行
・ヒトクローン規制法案が可決成立
 

・オーストリアで山岳ケーブルカーがトンネル内で火災、155人が死亡
・日本赤軍最高幹部重信房子容疑者が大阪で逮捕
・野党4党が森内閣不信任決議案を提出、賛成表明の加藤派、山崎派は本会議欠席し反対多数で否決
・オランダが安楽死を合法化
・改正少年法が成立、刑事罰対象年齢は14歳以上
 

12


 

・日医、ハーバード大学公衆衛生大学院との共催による「国際保健と医の倫理に関するシンポジウム開催
 

・中医協に対し平成13年4月から被保険者証の個人カード化を諮問、即日答申を受ける

 

・第2次森改造内閣が発足、省庁再編に伴う厚生労働相には公明党の坂口力氏が就任

 


<医療情報室の目>
★平成12年の終わりとともに、激動の20世紀が幕を閉じる瞬間が近づいてきました。そしていよいよ21世紀が始まろうと しています。20世紀は戦争の世紀と言われていますが、来る21世紀は南北朝鮮首脳会談の実現を契機に対話と平和の世紀になることが、全人類の希望であると思います。
医療界にあっても医療保険制度の抜本改革が叫ばれ、21世紀を迎えるにあたり新しい医療の枠組みが議論される中、日医は「2015年医療のグランドデザイン」を公表し、中長期的観点に立った医療提供体制を示しています
また、ヒトゲノム、遺伝子治療など先端技術の分野においても医療の本質をはずれ誤った方向に進むことがないよう、監視していく必要があります。
今後は情報開示と専門職として納得のいく仕事をするための医師の裁量権をどう両立させていくかが問題になってくると思われますので、日医の更なるリーダーシップを期待するとともに、我々会員が団結して日医を支えていかなくてはならないと考 えます。
会員の先生方のこれまで以上のご支援をお願い申し上げます。

 ※ご質問や何かお知りになりたい情報(テーマ)がありましたら医療情報室までお知らせ下さい。
   (事務局担当 百冨 TEL852-1501 FAX852-1510)
 

担当理事 江 頭 啓 介・入 江  尚


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