訪問看護研修会(11月)を開催しました。

福岡市医師会訪問看護ステーションでは、毎月、研修会を開催しています。

今回は、「安全安心の医療介護現場のために」と題し、福岡市医師会安全対策支援アドバイザー 柴田 建一氏より、昨今社会問題となっているカスタマーハラスメント等に関するご講演をいただきました。

2019年に厚生労働省が迷惑行為を初めて医療対策に規定し、2023年には労災認定基準にペイシェントハラスメントが追加されました。現在、各地でカスタマーハラスメント条例が施行されています。

研修では、東京都カスタマーハラスメント条例で定められた迷惑行為の類型(反復・時間的拘束型、弱者・権威型・不当要求型、暴言・威嚇・脅迫型、セクハラ・痴漢型)について、対応文言事例集を用いた具体的な対処方法を学びました。

重要な視点として、患者の怒りや不満は必ずしも根拠のないものばかりではなく、医療者側の説明不足や配慮の欠如が潜んでいる場合もあることを認識しました。アンガーマネジメントとペイハラ対策の境界を意識することも重要です。

ペイハラ対策6か条

  1. やるべきことをやる
  2. 断る・打ち切りを判断し実行する
  3. 必要時は110番通報
  4. 組織的対応と情報共有
  5. 記録の徹底(録音・録画が最強の証拠)
  6. 謝罪は合理的な範囲と程度で

4つの心構え

  1. 毅然とした対応が不可欠、勇気をもって
  2. 納得しないことを前提に
  3. 最初が肝心
  4. 危険察知力を働かせる

安全は当たり前ではなく、自分で掴み取るものです。ハラスメント対策は職場環境の安心・安全を図るためであり、それは患者やご家族に寄り添い、より良い医療・看護・介護サービスを提供するための不可欠な取り組みであることを学びました。