南海ダイエー時代からの主力選手として、今は野球解説者として活躍されている藤本博史さ
ん。地域の小中学校などで野球を教えながら、奥様との夢だった飲食店「藤もと亭」も経営する

など、ますます充実した日々を送っています。


【藤本 博史んプロフィール】
 1963年 11月8日 大阪府生まれ。
 1982年 天理高校から南海ホークスに入団。
 1993年 三塁手から一塁手へ転向。
 1998年 オリックスブルーウェーブへ移籍。同
     年限りで引退。
 1999年 TVQ九州放送の野球解説者に。現在
     は、西日本新聞スポーツ評論担当、ス
     ポーツeyeプロ野球解説者としても

     活躍中。マスターズリーグ・福岡ドン

     タクズの選手であり、ホークスOBと

     して「ホークスジュニアアカデミー」
     の小中学生向け野球教室講師も務める
     。
     2004年から福岡市中央区平尾に飲
     食店「うまいもんや藤もと亭」を経営

     。



長くダイエーの看板選手として、ガッツプレーを見せてくださいましたが、
 活躍し続ける秘訣は?
  当時のチームは弱いころでしたから自慢はできませんが(笑)、僕の姿勢とし
ては、いつも”人生プラス思考”を忘れませんでした。プレッシャーのかかる打
席ほど、「俺は絶対打てる」と思い込ませたり、逆に打てなかった試合は「今日
のピッチャーは良かったな」みたいに言う。本当はそうじゃなくてもね。悪い方
向に考えるとどんどん悪化しますから(笑)。
 もちろんその裏には努力も必要。僕は、1軍に上がって1年で足を亀裂骨折し
たんです。その痛みを周囲に悟られると、即座にレギュラーから落とされる。だ
から痛み止めの強い薬を15年間、毎日3回欠かさず飲んで必死に隠し通しまし
た。一方、毎シーズン後に発表されるエラーやWプレーのワースト記録に名前が
挙がったら、翌シーズンは必ずベストプレーヤーになる。短所を長所に変えるつ
もりで練習していました。


プラス思考と、陰での努力を維持していくのは大変なことですよね。

 基本はストレスをためこまないことです。これは決し
て健康的ではないかもしれないけど、あのころの僕らは
、試合に負けると必ず飲んでました。ストレスをためこ
まないためにです。気力を回復するためにも、絶対に酒
は必要でした(笑)。
 それから、いい”気”を出すためには「よく寝ること
」。僕は毎日必ず8時間以上の睡眠時間を確保していま
したね。
 

現役引退後、福岡に戻っていらっしゃってからは生活も変わったでしょう。

 野球解説者として迎えてもらい、とてもありがたいと
思っています。妻との共通の夢だった飲食店を持つこと
もできました。
 今は、小中学校の野球教室で子どもたちに野球を教え
るのがとても楽しいんです。可能性を秘めた子どもたち
が、どんどん上手になるのを見守っていけます。最近の
子どもたちは、思い切り遊べる外の場所が少なくなった
とか、ゲームをするほうが面白いとかあるようですが、
体を動かすのに場所は選びません。外の空気を吸いなが
ら体を動かす充実感を、是非子どものうちから味わって
ほしいなと思いますね。
 次の僕の夢は、やはりプロ野球で指導者になることで
す。特に2軍チームの選手たちを育ててみたいですね。
何か目標を持ち続けることも、健康の秘訣かもしれませ
ん。

特別に体を鍛える必要がない現在の、健康法はありますか?

 野球教室やマスターリーグなどを中心に、
空気のいい場所で運動して、気持ちのいい汗
をかく。食事も、量は減りましたが3食しっ
かり摂る。そして良く寝る。この3つを貫い
ているせいか、僕は亀裂骨折以外に入院した
ことも大病を患ったこともありません。先日
も初めて胃カメラの検査を受けましたが大丈
夫でした。ちなみにお酒の方は、店をやって
いることもあり、つき合いでも飲みますが、
最低週に1日は必ず休肝日をもうけているん
ですよ。