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この度発足した安倍新内閣において、厚生労働副大臣へ就任された武見敬三さん。これまで も、医療についての政策提言やその実現に向けて、厚生労働関係の各部門でご活躍され国民 の健康を支えてこられました。
【武見 敬三さんプロフィール】 1951年 11月5日生まれ 1974年 慶應義塾大学 法学部政治学科 卒業 法学研究科政治学専攻 法学研究博士 課程修了 ハーバード大学フェアーバンクス記念 東アジア研究所客員研究員、テレビ朝 日「CNNデイウォッチ」「モーニン グショー」番組キャスター、東海大学 教授、日医総研非常勤研究員を経て、
現在、参議院議員2期目
現在、厚生労働副大臣 参議院厚生労 働委員会 委員 厚労副大臣就任直前までは、自民党政 務調査会の厚生労働担当副会長、自民 党社会保障制度調査会副会長(医療委 員会)に就任。参議院自民党では、政
策審議会の筆頭副会長を務めていた。
●副大臣マニフェストの“健康の価値を重視した「健康社会」確立”とは? 我が国経済も不良債権処理が一段落し、成長局面の中で、国民の「格差」に対 する関心も高まっています。今後は経済的な面だけでなく、国民の人生において 最も大切な健康価値に立脚した、持続可能な医療制度を構築することが必要であ り、そのための医療政策を立案していくことが、私に課された重要な仕事です。 時代状況の変化する時期には、医療を提供する立場から政策論を明確にし、エ ビデンスに基づいた提言を常に準備しておくことが一番重要です。私も、全身全 霊を込めてその推進に努力したいと思います。
●保険制度の改正で負担感が増していますが「国民皆保険制度」の行方は?
国民皆保険は、我が国医療制度の大切な財産です。す べて国民がいずれかの医療保険に加入でき、その保険証 を持って医療機関を受診できます。アメリカでは4千万 人を超える人々が無保険者、つまり入れる保険がなく診 察してもらえません。我が国の国民皆保険制度では、た とえ失業しても市町村の国民健康保険に加入できます。 その国民健康保険は、加入者の半数を無職者が占め、若 者の保険料未納が増加するなど、皆保険制度は厳しい状 況ですが何としても守っていかなければなりません。 このため、先般の改革においては、低所得者に配慮し つつ患者負担を見直すとともに、小児科、産科等を重点 的に評価しつつ診療報酬の引下げを行ったほか、生活習 慣病予防や長期入院の是正、75歳以上の高齢者を対象 とした新たな医療制度の創設、都道府県単位を軸とした 保険者の再編・統合など、超高齢社会を展望した医療保 険制度体系の見直しを行いました。国民の安心の基盤で ある皆保険制度を堅持し、将来にわたり持続可能な制度 が構築されるよう、医療制度改革に取り組んでまいりま す。
●地域医師会の役割について副大臣のお考えをぜひ、お聞かせください。
医療に関わる政策決定が、医療制度改革を通じて構造的に変わります。今後、地方
分権化で特に都道府県の役割が大きくなります。これに対応して、都道府県医師会、 郡市医師会が重要になります。日本医師会を含めそれぞれが新たな役割を担い、政策 立案能力等を自ら確立しなければならない状況に入っていきます。 今後とも、市民向けの健康情報の提供等の活動を通じて国民の皆さんの支持を得な がら、地域医療について提言していただくことが、地域医師会の重要な任務になると 思います。
●中学時代からラガーマンとのこと、現在も何かスポーツをされていますか
イギリスでアキレス腱を切ってからラグビーは本格的にはやりませんが、ラグビー議
連等で今でも応援しています。イギリスでは、すぐに手術をしてもらえる病院を探す のが本当に大変で、日本の医療制度の素晴らしさを改めて実感しました。日本も、大 切な国民皆保険制度を堅持しながら、健康価値に基づいた政策を実行していかなけれ ばなりません。
●ご自身の健康については、どのようなことに気をつけていらっしゃいますか。
「メタボリックシンドローム」という言葉を耳にされると思いますが、この度の医
療制度改革の特徴の一つとして、疾病予防を重視した保健医療体系への転換がありま す。私も、日頃から万歩計を常に身につけ、なるべく歩くようにしています。また、 医食同源、食事について管理栄養士から指導を受けています。その結果は、乞うご期 待です。