第15回 救急救命士

 救急隊員の中でも、国家資格として認定を受けている救急救命士の仕事
は、救急車の中の動く救命センターのような役割です。
 医療処置の一部を認められていることで、救命率は上昇しています。
 今回は福岡市消防局の救急救命士の方にお話をうかがいました。
救急救命士
星川 英一さん

福岡市消防局 警防部 救急救助課

救急指導係長。福岡市民の救命率
を上げるべく、救急救命士として
の仕事の傍らで、救急隊員の指導

者としても活躍中。


 救急救命士とは、緊急時の処置の中でも普通は医師にのみ許されている、除
細動(電気ショック)や器具を使用した気道確保、点滴処置などの高度な救急
救命処置を行うことができる国家資格をもった救急隊員です。平成4年にでき
たこの制度のおかげで、全国的に救命士の乗っている救急車の救命率は上がっ
ています。福岡市でも22隊、178名の隊員のうち82名が救急救命士の資
格を持ち、全車両に必ず配置されています。
 救急車といえば、今までは搬送が主体だったわけですが、この資格を持つ隊
員がいることで、限られた内容ではありますが、現場から医療サービスの提供
ができ、病院に速やかに引き継げるため、さらに生存率が高くなります。今年
の7月からは、高度な気道確保である気管挿管が認められるとともに、平成1
8年からは薬の一部投与(ボスミン・・・強心剤)も許可されますので、更なる
期待が高まります。
 市でも、毎年7、8名ずつの資格取得のための隊員養成をしていますが、多

くの救急隊員から救命士の資格を取りたいという希望の声が上がっています。

 救急救命士がいることで、確かに救命率は上がっていますが、救急車の適正
利用の問題など、多くの問題を抱えており、ぜひ、市民の方々にご理解、ご協
力いただきたいことがあります。一つ目は、緊急性のない場合の出動の要請で
す。かすり傷程度、急を要する病気ではないのに病院に案内してもらうため等
の理由で救急車を呼ぶ方がいます。その間に一分一秒を争う方の命を脅かすこ

とがあるかもしれません。まず、救急車を呼ぶ前に119番に電話をして、病

状の確認、相談をしてみてください。そうすることで、救急車が必要かどうか
の判断もできると思います。二つ目は「救命の連鎖」です。「救命の連鎖」と
は、”早い通報””早い応急手当””早い応急処置””早い医療処置”のこと
をいい、救急救命士がいても、到着に時間がかかれば、それだけ救命率は低く

なります。もしも、事故などに出くわした場合、市民の皆さんのご協力が必要

です。

 現在、福岡市消防局では出前講座という形で、地域やサークルなどのグルー

プの要請で、応急処置の講習会を開いています。私たち救急救命士も、24時
間の交替勤務の中、一人でも多くの人を助けたいという気持ちで勉強しがんば
っていますので、ぜひ、ご協力をお願いします。