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No.25007−1
平成25年2月



●百日咳菌抗体/EIA
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 百日咳は、百日咳菌(Bordetella pertussis)によって引き起こされる痙咳発作を特徴とする急性気
道感染症で、1歳未満の乳児、特に生後6ヶ月以下では、重症化しやすく、肺炎や脳症を起こすことが
あります。
世界各国でDPT三種混合ワクチン接種(ジフテリア・百日咳・破傷風)が実施されており、近年、発生
数は減っていますが、接種率の低下により、ワクチン未接種者などへの散発的な流行がみられます。
成人は発作性の咳嗽を示さず、咳が長期にわたって持続するなど、小児に比べ軽症である場合が多く、
ワクチン未接種者などへの感染源として注意が必要です。
本検査は、百日咳菌感染の診断の補助として、血清中の抗百日咳毒素(PT:pertussis toxin) − IgG
抗体及び抗線維状赤血球疑集素(FHA:filamentous hemagglutinin) − IgG抗体を同時に測定いた
します。
PT及びFHAは百日咳菌が持つ重要な構成要素であり、無細胞ワクチンの成分として使用されています。
FHA抗体はパラ百日咳菌などと交差反応を示すため、感染の診断に関しては主にPT抗体が評価されま
すが、発症後4週間経過すると、90%以上でPT抗体及びFHA抗体の検出が可能です。
発症後4週間以内でも、PT抗体において100EU/mL以上であれば確定百日咳とされています。
(咳嗽に関するガイドライン第2版 社団法人 日本呼吸器学会 2012.07 より)

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