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No.24011−1
平成24年8月



「CKD診療ガイド2012」について

 平成20年12月より、慢性腎臓病(CKD)の早期診断や病期ステージの判定にお役立ていただくために
推算GFR(eGFR)を報告いたしておりますが、この度平成24年6月に日本腎臓病学会の「CKD診療ガイド」が改訂され、重症度分類や降圧薬選択が変更されましたのでご案内申し上げます。

<<CKD診療ガイド2007からの変更点>>
原疾患名を記載し、全ての患者において尿蛋白をGFRを評価する。
日本の診療に当てはめるために、アルブミン尿と蛋白尿の区分を新たに設定。
GFR区分による重症度分類でステージ3(中等度以下)を、「G3a45〜59(軽度から中等度
低下)とG3b30〜44(中等度から高度低下)」の2つに分類。
推奨する降圧薬については、糖尿病患者では、従来どおりACE阻害薬やARBを第1選択薬と
することに変わりないが、血圧コントロール目標を達成できなければ多剤併用治療(Ca拮抗薬、
少量の利尿薬)を開始すること。
<<CKDの重傷度分類>>
原疾患 尿蛋白区分 A1 A2 A3
糖尿病 尿アルブミン定量
(mg/日)
尿アルブミン/Cr比
(mg/gCr)
正常 微量アルブミン尿 顕性アルブミン尿
30未満 30〜299 300以上
高血圧
腎炎
多発性嚢胞腎
不明、その他
尿蛋白定量
(g/日)
尿蛋白/Cr比
(g/gCr)
正常 軽度蛋白尿 高度蛋白尿
0.15未満 0.15〜0.49 0.50以上
GFR区分
(mL/min/
1.73m2
G1 正常または高値 ≧90
G2 正常または軽度低下 60〜89
G3a 軽度〜中等度低下 45〜59
G3b 中等度〜高度低下 30〜44
G4 高度低下 15〜29
G5 末期腎不全(ESKD) <15
  重傷度は原疾患・GFR区分・蛋白尿区分を合わせたステージにより評価する。
  CKDの重症度は死亡、末期腎不全、心疾患死亡発症のリスクをのステージを基準に、オレンジ
  の順にステージが上昇する程リスクは上昇する。
※日本腎臓学会編、CKD診療ガイド2012
            

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